VRFB電解液の製造・販売
VRFB電池に関する技術と製品のご紹介
1.VRFB電池の仕組み
Vanadium Redox Flow Battery / VRFB Mechanism
VRFB電池は電解液をポンプで循環させ、酸化還元反応で充放電を行います。電極ではなく電解液の化学状態を変化させるため、電極劣化が少なく長期安定運用が可能です。
VRFBの主要コンポーネント
電池セル部（出力部）
電解液の酸化還元反応が起こり、充放電が行われる中心部分です。
電解液タンク部
正極・負極の電解液を貯蔵し、タンク容量で蓄電容量を調整できます。
ポンプ部
電解液をタンクからセル部へと循環させる役割を担います。
制御部
充放電の制御や電解液の流量管理など、システム全体の最適運用を司ります。
この構造により、出力（kW）と容量（kWh）を独立して設計できる高い柔軟性を実現しています。
2.VRFB電池の卓越した特徴
Vanadium Redox Flow Battery / VRFB Features
VRFBの特徴概要
充電と放電回数に制限がなく劣化がないことから長期の安定稼働が可能であり、安全性も高く、再生エネルギーとの相性も良い。VRFBは大容量の定置式蓄電池として高い安全性と安定供給が求められる風力・太陽光発電等に最適な特徴を有する。
長期安定稼働
耐熱等の必要がないため電池本体の寿命が長く、約20年の電池設計が可能と言われています。また、他の電池が充放電の回数に限りがあることに比べ、VRFBは充放電が無制限とされており、電解液は半永久的に使用可能なため、20年以降のコストダウンが可能と考えられます。
拡張性の自由度
蓄電量を電解液の量で、出力を電池セルスタック の大きさで個別設計することが可能なため、自由な設計が可能です。
公共施設や社会インフラでは蓄電池選定が極めて重要です。VRFBは安全性と長寿命の観点から他の蓄電池技術に対し明確な優位性を持っています。
私たちLEシステムは、この優れたVRFBの心臓部である電解液を製造する、日本で唯一のメーカーです。最高品質の電解液を国内で安定的に供給することで、お客様に最高レベルの安全性と安心をお届けします。
3.VRFB電池の多様な利用シーン
Vanadium Redox Flow Battery / VRFB Applications
VRFBは、その高い安全性と設計自由度から、社会の様々なエネルギーニーズに応えることができます。再生可能エネルギーの普及に伴う電力系統の不安定化を解消する切り札として、また、企業のBCP（事業継続計画）対策やエネルギーコスト削減のツールとして、その活用範囲は広がり続けています。
日中の太陽光発電の余剰分や、料金の安い夜間の電力を蓄電し、太陽光発電ができない夜間や需要が増える時間帯に放電。
主な利用例：
出力変動緩和・平滑化
太陽光発電や風力発電など、天候によって出力が変動する再生可能エネルギーを安定化させ、電力品質を維持します。
ピークカット・ピークシフト
夜間充電・昼間放電により電力料金を削減し、電力網負荷を軽減します。
非常用電源（BCP対策）
災害などによる停電時にも、重要な設備へ電力を供給し続け、事業や人々の生活を守ります。
スマートグリッドの構築
地域のエネルギーを最適に制御する分散型電源として、次世代のエネルギーインフラの中核を担います。
VRFBは、小規模な施設から大規模な系統用まで、お客様のニーズに応じて容量や出力を柔軟にカスタマイズできるため、あらゆるエネルギー課題に対する最適な答えを提供します。
4. 中小型VRFBソリューション
LEシステムでは、大規模な系統用蓄電だけでなく、より身近な施設での利用を想定した中小型VRFBの開発も進めています。現在、主流となりつつある20kWhクラスの蓄電池として、「5kW × 4時間」規格の製品化を推進しており、日本国内での導入を目指しています。
この中小型モデルは、特に消防法の規制などでリチウムイオン電池の設置が難しい場所や、より高い安全性が求められる病院、官公庁、高架下施設などでの需要を見込んでいます。日本唯一の電解液メーカーとして、LEシステムは高品質なVRFBをより多くの皆様にご利用いただけるよう、製品開発に取り組んでまいります。
5.VRFB電池用電解液について
Vanadium Redox Flow Battery / VRFB Electrolyte
高品質な電解液の提供
当社の電解液は、電池セルの製造や電池システムの知見を生かし、独自の試験・評価を経た信頼性の高い品質が特長です。また、ニーズに合わせたスペック調整も可能で、VRFB電池の最適なパフォーマンスを引き出す電解液をご提供いたします。
